高野山大学大学院 文学研究科
高野山大学大学院 文学研究科
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弘法大師空海上人(774-835年)は、当時の「学令」による官吏養成システムの大学構想とは別個に、私設の大学構想として教育の機会均等や総合的教育 などを理念として掲げた「綜芸種智院の式」(828年起草)を記した。高野山大学は、その 教育理念を建学の精神として仰ぐ。時は移り、明治19年(1886)、京都東寺の事相講伝 所・東京音羽護国寺の新義真言宗大学林とともに、高野山興山寺遺跡地に古義大学林が開校す る。ここに近代国家日本の学制における大学としての礎が築かれ、平成18年には創立120 周年を迎える。そして、現在も「弘法大師の精神に則り、『いのち』のあらゆる営みを尊び、 人間とその環境の共存共生をはかり、諸民族諸地域の文化を理解し、新しい文化を創造して、 社会に貢献する人材を育成する」ことを、本学の教育・研究活動の理念として高く掲げている。
高野山大学大学院文学研究科は、その博士課程での学修に当たり、教育目的として次の3点を設定している。すなわち、(1)広くアジア諸地域の密教文化、仏 教文化について、深く豊かな学識と幅広い視野のもとに総合的な判断力を備えて、現代社会に その精神を発揚する、高度な専門性を有する研究者および職業人を育成する。(2)国際的、 学際的な視野のもとに、独創的な発想と柔軟な思考とをもって、密教学、仏教学およびその関 連分野に新しい知見をもたらし、高度な学術研究と専門能力とを有する人材を育成する。(3)密教文化研究所との相互協力関係をたもち、広くアジア諸地域の密教文化、および弘法 大師以来の伝統的真言密教の資料収集、調査など総合的学術研究に携わる研究者を育成する。修士課程においては、上記博士課程への準備段階としての博士前期課程の諸科目(密教学・密 教史と仏教学・仏教史の特殊研究科目など)に加え、平成15年度からは、社会人コース・僧 侶コースを導入している。その目的は、一つには、社会人(現役の社会人、既退職者等)が生 涯学習の観点から、本研究課程の教育・研究領域である密教学、仏教学および弘法大師の思想 を始めとする諸分野において、伝統的且つ専門的な学問・教育の修得と研究の進展とを図り、 社会的なニーズに応えることにある。例えば、現代社会と仏教・密教をテーマとする授業科目 を設定している。また二つには、高度にしてより専門的な技能教育と、伝統的な事相・教相に 関する知識・実践とを体得し、本宗僧侶、真言宗僧侶および寺院後継者の育成を図ることにあ る。例えば、住職学講座を設定している。また、平成16年度からは、修士課程の密教学専攻 に通信制を導入。国内初めての密教の通信制大学院が誕生した。


